クラシック聴きはじめ🐣

ゆる〜い音楽ログとなんてことない日々

イザベル・ファウスト:2人の指揮者、ヘレヴェッヘとフランソワ=グザヴィエ・ロト。2020年コンサート情報

今年も、ロンドン交響楽団、パリ管弦楽団ウィーンフィルと、意欲的なコンサート活動を展開する、イザベル・ファウストさん。

次回の来日まで、彼女の現在をコンサート情報で追うという、またもやマニアックなエントリです。ファウストさんが新しいチャンレンジをするたび、新しい音楽家さんや作曲家を知るのが、おサルのひそかな楽しみです。

 


イザベル・ファウストさんの2020年上半期コンサート情報を眺めていて、気になる人物を発見!それは指揮者のフィリップ・ヘレヴェッヘさん、フランソワ=グザヴィエ・ロトさんです。

   

イザベル・ファウストと2人の指揮者。ヘレウェッゲロト

2020年3月~5月、イザベル・ファウストさんは、ロンドン交響楽団ウィーンフィル、レ・シエクル、パリ管弦楽団と共演します。その指揮者が、ヘレヴェッヘさん、ロトさんです。

ちなみに、フランソワ=グザヴィエ・ロトさんは、2月に都響を指揮されるので、早速チケットを予約しました🎶

2/2都響スペシャル、2/3定期演奏会Aシリーズ | 東京都交響楽団

 

 

2020年5月、ヘレヴェッヘ指揮&ウィーンフィルベートーヴェン「ヴァイオリン協奏曲」

フィリップ・ヘレヴェッヘ(Philippe Herreweghe)

指揮者。シャンゼリゼ管弦楽団(Orchestre des Champs-Elysées)の創設者。
5月:ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲、ウィーンフィル@ウィーン楽友協会ホール

イザベル・ファウスト Isabelle Faust ヘレヴェッヘ フランソワ=グザヴィエ・ロト コンサート

この方、実に興味深いんです

ウィーンフィルファウストさんの共演はぜひ聴いてみたいです!
アルバム出るといいな。これまでベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲を収録したCDは2枚出ていますが、まだこの曲に関しては進化する余地がある気がしてます(生意気に)。

 

 

2020年3月、ロト指揮&ロンドン交響楽団ストラヴィンスキー「ヴァイオリン協奏曲」

2020年3~5月はロトさんとロンドン、フランス、スペインを演奏ツアーするようです。ロトさん指揮のストラヴィンスキーのヴァイオリン協奏曲を収録したCDアルバムが、お目見えするのもすぐかも!

 

フランソワ=グザヴィエ・ロト(François-Xavier Roth)

指揮者。レ・シエクル(Les Siecles)創設者。

3月:ロンドン交響楽団
4月:エクサンプロヴァンス音楽祭でレ・シエクルと、パリではパリ管弦楽団と共演、その後4月から5月上旬にバルセロナを中心に一緒にツアー。 

イザベル・ファウスト Isabelle Faust ヘレヴェッヘ フランソワ=グザヴィエ・ロト コンサート

みなさまご存知のレ・シエクルの主催者

3、4月のプログラムは、オール・ストラヴィンスキーのようです。コンサートは、ストラヴィンスキーのヴァイオリン協奏曲を中心にプログラムされています。演奏会ごとに少し曲が変わり、ストラヴィンスキー弦楽四重奏や、バルトークの作品も入ってますね。

5月のスペインツアーではアルノルト・シェーンベルクも取り上げます(シェーンベルクスウェーデン放送交響楽団との録音が出ています。2018年、2020年)。

5月のエクサンプロヴァンス音楽祭のプログラムはまだ未発表です。気になる!
https://festival-aix.com/en

 

主なプログラム
3月:Violin Concerto - Stravinsky / Le Sacre du Printemps - Stravinsky / L’Oiseau de Feu - Stravinsky

4月:Violin Concerto - Stravinsky / Le Sacre du Printemps - Stravinsky / 3 Pieces for String Quartet - Stravinsky / Pastoral - Stravinsky

5月:Nuit Transfigurée(アルノルト・シェーンベルク浄められた夜(La nuit transfigurée)」CDでお馴染みですね)

 

今回は、ヘレヴェッヘさん、ロトさん、この2人の指揮者に関連した演奏会だけピックアップしました。この他にも、アムステルダムロイヤル・コンセルトヘボウとの共演や、アンサンブルのでコンサートや、中国でのコンサートもあります。
 

ここまで読んでくださったあなたは、きっとファウストさんのファンですね。
仲間(笑)これからもよろしくお願いします。

 

 

 

 

ぜひイザベル・ファウストさんの演奏に触れてみてくださいね🎵

   ご感想はTwitterまで。どうぞお手柔らかに。

 

最大40%オフ。コンサートに行くならオーケストラの定期会員が絶対オススメな5つの理由。春季会員は今がチャンス。

クラシック音楽ファンには常識」。でも、初心者には知られていない、オーケストラとコンサートの常識をお伝えするエントリです。少なくともおサルは知りませんでした。クアトロやリキッドルームには定期会員はなかったです。。

 

こんにちは。「コンチェルト」も知らなかったクラシック音楽初心者のおサルです。

オーケストラ、室内楽、アンサンブル、ソロリサイタル、ピアノ、ヴァイオリン、チェロにフルート、ああオペラもあった・・・最初のころはどのコンサートに行ったらいいのか大混乱してました。

 

オーケストラ 定期会員 セット券 コンサート

オーケストラ、こんなイメージでなかなか近寄りがたかった

 

最大40%オフ。定期演奏会とセット券を活用して、コンサートでも音楽に触れましょう!

月に1度、音楽だけに向かい合う、自分の時間をもつのって楽しいですよ!ちなみに2020年春季からの定期、シーズンチケット購入は、そろそろラストチャンスです。

 

初心者のファーストチョイスはオーケストラ

理由は、オーケストラが一番華やかな音を楽しめるからです。小編成でも20名、大規模なら50名以上の演奏者がズラッとステージに並び、多彩でカラフルな楽器の音色を圧倒的なボリュームで聴くことができるチャンスは他にはありません。

そして、プログラムのペース配分が適度で、ちょうどいいところで休憩を挟み、最後まで楽しく聴けます。だいたい、2時間の演奏のあいだに15分の休憩があります。

土曜14時開演のコンサートなら、お昼ごろに家を出て、13時半に会場に。
ゆっくり指定席で音楽だけに集中してライブを楽しみ、あっという間の2時間を過ごすと16時半です。
そのあとお茶してもいいし、ウィンドウ・ショッピングしても、余裕で夕食に間に合います。月に1度、自分の時間をもつのって楽しいですよ~。

  

え、選べない。楽しそうなんだけどね。

 

どのオーケストラに行ったらいいのか?

地元のオーケストラをおすすめします。
お財布にとっても余裕がある方はのぞき、海外から招へいされたオーケストラの演奏会は、財布に優しくありません。最初は、日本のオーケストラ、身近な地元のコンサートがおすすめです(地域密着型の場合、住民の方に優待があることも)。

おサルが今いる場所は関東(のジャングルに生息)なので、在京オーケストラに絞り、その理由をお話します。

基本的には気に入ったオーケストラができたら、定期会員になるのはおすすめですが、まだお気に入りのオーケストラがない人でも、次の条件に当てはまったら、定期会員になるメリットがあります。

・ 月1回、コンサートに行くというライフスタイルが合う人
・そのオーケストラの演奏会プログラムを見て、聴きたい楽曲が年間5割程度ある

定期会員には通年の他に、3か月から半年(上期・下期、シーズン会員など)がありますので、まずは短い会期のものを選んでもいいかもしれません。

 

 

在京オーケストラの定期演奏会をおすすめできる5つのメリット

 

1)リーズナブルにクオリティの高い演奏を年間指定席で聴ける

在京オーケストラの演奏を、S席5000円前後~で聴くことができます。のちほど日本フィルハーモニーさんを例に挙げて具体的に検証してみますね。

多くのオーケストラでは、ホールの同じ席を1年間確保してくれるので、専用指定席で聴くことができます。当然、都度ホールの座席表を片手にチケット予約する手間も省けます。

演奏会の日程と自分のスケジュールが合わない月は、関東圏の他の会場・ホールに振り替えることもできます。

 

 

2)多彩なソリスト、共演者の演奏を聴ける

多彩なアーティスト(ソリスト)の演奏を聴ける(しかもかなりリーズナブルな価格で)。
わずか半年と少しの短い期間にも、諏訪内晶子さん、小山実稚恵さん、河村尚子さん、藤田真央さんの演奏を聴くチャンスがありました。
定期演奏会以外で、ステージ・ヴァイオリニストの諏訪内さんの演奏を聴こうと思ったら価格は倍近くしますし、チケット予約も大変です。 

また、オーケストラの首席指揮者、桂冠指揮者、客演指揮者など、様々な指揮者による演奏を聴くことができます。
おサルが聴くチャンスがあったのは、ピエタリ・インキネンさん、小林研一郎さん、広上淳一さん、アレクサンドル・ラザレフさんなど。

オーケストラの定期演奏会を通してでなければ、こんなに幅広いアーティストの演奏に接する機会を持てなかったと思います。 

 

 

3)半年、1年かけて、様々な楽曲・作曲家、音楽を少しづつ知ることができる

定期演奏会では、各オーケストラ、指揮者がキュレーションした、クラシック音楽のプログラムを聴くことができます。

在京オーケストラの場合は、年8~10回の定期演奏会を開催していますから、毎回2つ以上の楽曲が聴けるとして、16以上の楽曲に触れられます。

半年、1年かけて、知らない楽曲、知らない作曲家を少しずつ知ることができるのは、初心者にとって大きなメリットだと思います。
ハイドンバターワースシベリウスサロネンベートーヴェンドヴォルザークストラヴィンスキーR・シュトラウスリムスキー=コルサコフメトネル、マスカーニ、ラター、バッハ、ブラームスグラズノフショスタコーヴィチモーツァルト 

 

 

4)オーケストラそのものを知ることができる

当然ですが、演奏会のプログラムによって、オーケストラの配置・構成が変わります。

ベートーヴェンのときは「古典配置」と呼ばれる、作曲当時の楽器のフォーメーションを取ったり 、ストラヴィンスキー火の鳥」のときは2階の通路にチューバやトランペット奏者が配されいたこともありました。楽器のヴァリエーションも変わります。

また、オーケストラの構成メンバー、楽団員のことを知ることもできます。コンマスが変わると少し雰囲気が変わりますし、ソロパートや見せ場で活躍する姿を観て「あの人いいな!」など観察できるのも面白いですね。

ちなみに、おサルはティンパニチェリストのファンになりました。

 

 

5)優先・先行発売でチケットも取りやすく、様々な会員特典が受けられる。

在京オーケストラに共通している特典は、定期演奏会以外のチケット販売について先行優先予約と、10%のチケット割引が受けられることです。

オーケストラによって、公開リハーサルの見学、近隣ホテルの飲食が10%オフになるなど、ちょっとした特典が付くことも。

通常の会員のほか、賛助会員、サポート会員という制度もあります。こちらも、金額にもよりますが、演奏会のチケットをもらえるなど特典があります 。

 

さて、それでは日本フィルハーモニーさんを例にチケット価格について、簡単にふれたいと思います。

 

 

 

最大40%オフを検証。定期会員とセット券を活用して、気軽にコンサートに行こう

リストするまでもなく、定期会員になると明らかにリーズナブルなわけですが、日本フィルハーモニーさんを例に簡単にまとめました。S席で1回4,800円~5,200円は、魅力的な提案です。野球のように年パス62試合もありませんが(あっても行けない笑)、会員になるとオーケストラの応援もできます。
  

 

定期演奏会の場合:

1回券の場合(定期演奏会
S¥8,000 A¥6,500 B¥6,000 C¥5,000 P¥4,000 Ys(25歳以下)¥1,500

 

最大40%オフ
年間定期会員券(2019.9月-20.7月シーズン全10回※2月を除く)

S席¥48,000

A席¥38,000 B席¥35,000
C席¥30,000 P席¥24,000

Ys席¥13,000

1回あたりの単価:
@S¥4,800 A¥3,800 B¥3,500 C¥3,000 P¥2,400 Ys(25歳以下)¥1,300

 

最大 37.5%オフ
半期定期会員券(2019-20シーズン:秋季9-1月全5回/春季3-7月全5回) 

S席¥26,000

A席¥21,000 B席¥19,000
C席¥16,000

P席¥13,000

Ys席¥7,000

1回あたりの単価:
@S¥5,200 A¥4,200 B¥3,800 C¥3,200 P¥2,600 Ys(25歳以下)¥1,400

 

 

セット券の場合(例:名曲コンサート):

プログラム例(一部)

チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番 変ロ短調 op.23
ベルリオーズ幻想交響曲 op.14

ドヴォルジャーク交響曲第9番 ホ短調 op.95《新世界より
エルガー:行進曲《威風堂々》第1番 ニ長調 

シベリウス:ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 op.47
マーラー交響曲第1番 ニ長調 《巨人》

ラフマニノフピアノ協奏曲第2番 ハ短調 op.18
ムソルグスキーラヴェル編曲):組曲展覧会の絵

 

2020年3月&4月&5月&6月名曲コンサートセット券 
S席セット¥19,000/A席セット¥14,000(4公演)

1回あたりの単価:@S¥4,750 A¥3,500
<参考>名曲コンサート(1回券の場合):S¥7,000 A¥5,500

 

 

<リンク集>在京オーケストラ9楽団の定期会員券&セット券のリンク

 日本オーケストラ連盟(正会員)の在京オーケストラ各楽団の定期会員&セット券案内ページのリンクをリストしてみました。

 

NHK交響楽団https://www.nhkso.or.jp/tickets/subscription.html

新日本フィルハーモニー交響楽団https://www.njp.or.jp/ticket/coupon
東京交響楽団http://tokyosymphony.jp/pc/ticket/teiki2019.html
東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団https://www.cityphil.jp/ticket/tickettype/members.php
東京都交響楽団https://www.tmso.or.jp/j/member/
東京フィルハーモニー交響楽団https://www.tpo.or.jp/concert/2017-18season02.php
日本フィルハーモニー交響楽団https://www.japanphil.or.jp/ticket
読売日本交響楽団https://yomikyo.or.jp/info/membership.php

東京ニューシティ管弦楽団http://www.tnco.or.jp/concert/2020%E5%B9%B4%E5%BA%A6%E5%AE%9A%E6%9C%9F%E4%BC%9A%E5%93%A1%E5%8F%97%E4%BB%98%E4%B8%AD%EF%BC%81/

 

東京フィルなど現在定期会員券の販売を終了した楽団については、セット券のページをリンクしました。くわしくは各楽団にお問い合わせくださいね。

 

別に会員にならなくても「オーケストラに行ってみてもいいかな?」と思ってもらえたら、うれしいです。

 

  

いや~好きってすごいパワーですね。誰の役に立つかはわからないけど、こんなにマジメに書いている私スゴい。感心しちゃった。クラシック音楽の好きなお仲間がふえるといいなと思ってます。おやすみなさい。

 

 

 「読んだよ」などひと言いただけるとうれしいです。お手柔らかに😉  

 

ただいまコンサート予習中:ラヴェル「ダフニスとクロエ」フランシス=グザヴィエ・ロト指揮&都響

無能多忙につき、予習時間のないおサルです。友人にラヴェルの「ダフニスとクロエ」聴きに行くんだけど~と話したところ「これ聴いてみ。」と、渡されたバナナ、いやアルバムで予習しました。

 

フランシス=グザヴィエ・ロト指揮&都響

 

真冬から常春へ。神秘のレスボス島へとおサルを誘うダフニスとクロエ

 文学少女だったなごりで、ホコリを叩けば戯曲『ダフニスとクロエ』も記憶の片隅に、うっすらあります。
「ディスニー的な世界観の話だよね」
身もふたもない言い方だけど、ええまあそうかもね。神々に祝福された島、そして男女2人が織りなす素朴でいとおしい愛の物語ですよ。
近頃のちょっと殺伐としたおサルの心象風景には、「ダフニスとクロエ」くらい理想世界を描いた作品がいいのかもしれません。

 

夢のように美しい「ダフニスとクロエ」。カラヤン指揮&ベルリンフィル

友人がすすめてくれたのは、カラヤン指揮&ベルリン・フィル

これが本当に夢のように美しい演奏でした。「ダフニスとクロエ」のようなデリケートな曲には、こんな精緻を極めた演奏が合うのかも。

複雑なディテールが多いのはバレエ音楽だからかな。オーケストラは、この描写的な曲をあますところなく、繊細に美しく表現しています。ニュアンスに富んでいて饒舌。ディズニーなんて言ってごめんなさい。カラヤンさん、すごい!
聴いて損はない演奏です!交響詩「海」にも感動しました。

 

 ロトさんは、どんな指揮をするのかなと考えると、ワクワクします!カラヤンさんとは全く違うでしょう。

 

 

色彩画家シャガールによるもう1つの「ダフニスとクロエ」

ところで、「ダフニスとクロエ」はシャガールの連作でも有名です。
おサルは箱根のポーラ美術館で鑑賞したことがあります。もともとシャガールはこの連作を出版社の依頼で挿絵として描きました。当時の出版界のなんと贅沢なこと。ため息が出ます。特設サイトからも、20世紀絵画のもう1つの世界「絵本」を垣間見ることができます。お時間のあるときに眺めてみてくださいね。

 

ポーラ美術館「世界でもっとも美しい本たち シャガールマティス、ミロ、ダリ」 


都響スペシャル・第896回 定期演奏会Aシリーズ(2020年2月2日、3日)
指揮/フランソワ=グザヴィエ・ロト
合唱/栗友会合唱団

ラモー:オペラ=バレ『優雅なインドの国々』組曲
ルベル:バレエ音楽四大元素
ラヴェルバレエ音楽《ダフニスとクロエ》(全曲)
https://www.tmso.or.jp/j/news/6505/

盛りだくさんなプログラム!
おサルが心ひそかに期待しているのが、ルベル「四大元素」です。

 

しかし何でもよく食べるサルだこと。新年からスメタナベルリオーズラヴェル、日本フィル、東京フィル、都響ですよ。ゆっくり味わって食べなさい。まだ何も知らないおサルさん、お楽しみはこれからだ!

 

  

 「読んだよ」などご感想いただけるとうれしいです。お手柔らかに。 

国内外の有名音楽誌3誌による「世界のオーケストラランキング」2020年最新

先日のエントリを書いた後に「オーケストラを他の方はどう評価してるのかな?」と気になって、ランキングまとめてみました。面白い発見がありましたが、それは次回のエントリにて。

まずは国内外の有名音楽誌3誌が選ぶ「世界のオーケストラ10」をお伝えしますね。 

   

世界のオーケストラ10選 & ランキング(2020年最新)

 

かつて、バーンスタインは「世界でもっとも偉大なオーケストラはどの楽団でしょうか?」と尋ねられ「ない!」*と即答したそうです 。かっこいい!このエントリも、クラシック音楽仲間との話のネタと思っていただければうれしいです。


世界のオーケストラ ランキング 最新 有名雑誌

 

 世界的に高名な英国誌「Gramophone(グラモフォン)」そして日本の「音楽の友」「レコード芸術の3誌によるオーケストラ・ランキングは以下の通りです。

 

 

 英国誌『グラモフォン』による「世界のオーケストラ トップ10」(2008年)

「グラモフォン」誌による「世界のオーケストラ、トップ10」は、2008年以降発表されていません。
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The world's best classical music reviews, Gramophone's 10 World's Best Leading Symphony Orchestras.

1位:ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団
2位:ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
3位:ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
4位:ロンドン交響楽団
5位:シカゴ交響楽団
6位:バイエルン放送交響楽団
7位:クリーヴランド管弦楽団
8位:ロサンジェルス・フィルハーモニック
9位:ブダペスト祝祭管弦楽団
10位:シュターツカペレ・ドレスデン
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19位には、日本の「サイトウ・キネン・オーケストラ」がランクインしていました。

 

『音楽の友』による「世界のオーケストラ トップ10」(2019年)

老舗音楽出版社の発行する『音楽の友』は、ほぼ2~3年間隔でランキング特集しています。
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雑誌『音楽の友』2019年3月号、特集「世界のオーケストラ・歌劇場ベスト10」

1位:ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 411点
2位:ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 329点
3位:バイエルン放送交響楽団       294点
4位:ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団 255点
5位:ロンドン交響楽団          174点
6位:パリ管弦楽団            135点
7位:シカゴ交響楽団           131点
8位:ドレスデン・シュターツカペレ    118点
9位:クリーヴランド管弦楽団       112点
9位:ライプツィヒ・ケヴァントハウス管弦楽団 108点

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ちなみに、国内オーケストラのランキングは以下の通りです。

22位:NHK交響楽団        18点
32位:読売日本交響楽団       10点
32位:日本フィルハーモニー交響楽団 10点
39位:京都市交響楽団        9点
42位:日本センチュリー交響楽団
45位:山形交響楽団、52位:東京交響楽団など
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池田卓夫さん、渡辺和彦さんがN響を世界1に推してらっしゃいました。

 

レコード芸術』による「世界のオーケストラ トップ10」(2017年)

レコード芸術』誌上でのランキング発表は、2008年以来、9年ぶりだそうです。
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雑誌『レコード芸術』2017年3月号、特集「オーケストラ・ランキング2017」

1位:ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
2位:バイエルン放送交響楽団
3位:ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団
4位:ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
5位:ドレスデン国立管弦楽団(シュターツカペレ)
6位:パリ管弦楽団
7位:シカゴ交響楽団
8位:ロンドン交響楽団
9位:マーラー室内管弦楽団
10位:ドイツ・カンマーフィルハーモニー
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ランキング傾向。国別、選出方法など

どなたも予想される通り、ベルリン・フィルウィーン・フィルロイヤル・コンセルトヘボウ、そしてバイエルン放送交響楽団あたりが不動のトップ3です。
もはや、指揮者ではなくオーケストラそのものの実力がクラシック音楽界を牽引しているようにすら見えます。
ロイヤル・コンセルトヘボウがなかなか次期首席指揮者をアナウンスしないのは、決めかねているというよりも、首席指揮者不在でも問題ないからなのかな、などと考えてしまいます(2019シーズン以降、2020年1月現在まで空位)。

もっとも、ベルリンフィルの首席指揮者キリル・ペトレンコさんは、バイエルン国立管弦楽団の首席指揮者と兼任されるなど大活躍されていますし、その実力に口を挟むつもりはありません(GoogleAppleのCEOを同時に務めるようなものかな?あ。違った?)。 

 

国別に見ると、
『グラモフォン』誌のランキング20のリストを国別に見ると、最多はアメリカ(7楽団)、次いでドイツ(4楽団)がランクイン。
対して、日本の『音楽の友』のランキング20まででは、最多はドイツで ダントツです(ドイツ、8楽団)シカゴ交響楽団クリーヴランド管弦楽団をはじめとするアメリカのオーケストラが続きますアメリカ、5楽団)フランスを除き、2楽団以上ランクインしている国はありませんでした。

  

選出方法
各誌の選出方法はいずれも指揮者ではなく、音楽批評家による選出です。

  • 『グラモフォン』11人の 世界的な音楽批評家へのアンケート調査にもとづく選定。
  • 『音楽の友』46人の音楽評論家・ジャーナリストによるランキング選出。
  • レコード芸術』30人の評論家がそれぞれ1位から10位までランク付けし点数化

『音楽の友』『レコード芸術』は、投票した点数は表記されていませんが、音楽評論家・ジャーナリストは記名です。一方、『グラモフォン』の選者は公表されていないようです。

 

 

ランキングの本当の面白さはトップ10以外にあった!

初心者なので、各誌のランキング・リストを見ていてワクワクしてしまう発見もありました。が、それはトップ10以外のオーケストラのことなので別エントリにて。  

個人的には、この雑誌でもトップ3に入る、ベルリンフィルを束ねる樫本大進さんは素晴らしいなと感じました。日本人として誇らしいです(もちろん、おサル以外の人はみんな知っていたと思いますが笑)。

 

 

最後に、バーンスタインの言葉*を引用すると

僕にはお気に入りのオーケストラはないね。特定のオーケストラの伝統や、ウィーンのような、祖父や曽祖父から受け継いだ楽器から生じる確かに個性的な“音”、フランスとドイツのバスーンやトランペットの違いなどはあるよ。教え方の “流派”もある。しかし、それらすべてを考慮しても、すべてのオーケストラは、オーケストラ自身の音ではなく、今演奏している作曲家の音を出すためにあるべきだなんだ。ハイドンハイドンのスタイルで、ラヴェルラヴェルのスタイルで、マーラーマーラーのスタイルで。『フィラデルフィア』や『ベルリンフィル』の音のためではなくね

素敵ですね!できるだけ多くのオーケストラの演奏、そしてコンサートに触れたいなとますます思うおサルです。読んでくださりありがとうございました!
 

おサルのクラシック鑑賞⑬:ベルリオーズ「幻想交響曲」バッティストーニ指揮&東京フィル(2020/1/24)

こんにちは。おサルのコンサート鑑賞エントリです。東京フィルさんの1月定期演奏会は、2020年幕開けにふさわしい艶やかなコンサートで、とても楽しかったです!

どこか捉えどころのない幻想交響曲も、バッティストーニさんの指揮にかかると、演劇のようにドラマチック!


眠れる亡者をも踊らせる?!グルーブ感のある「幻想交響曲  

おサルの席は2階。真正面に目を向けると、コントラバス7台と、金管奏者が10人以上がステージにずらりと並んでいます。大編成のオーケストラ!

第3楽章では、ティンパニ2台を奏者4人で演奏するんですよ!「えーーー!!こんなのアリ?」って思わず人数を数えた初心者おサルです。

そんな大編成にもかかわらず、バッティストーニさんの威勢のいい指揮にぴったりついていく東京フィルハーモニーさんすごい!爽快です。


第130回東京フィルハーモニー定期シリーズ

指揮:アンドレア・バッティストーニ
ピアノ:阪田知樹*

ラフマニノフ/ピアノ協奏曲第3番*
ベルリオーズ幻想交響曲
楽器編成: フルート(2番はピッコロ持ち替え)、オーボエ2(イングリッシュ・ホルン持ち替え)、コールアングレ、バンダオーボエクラリネット2、Esクラリネットファゴット4、ホルン4、トランペット4(トランペット2、コルネット2)、トロンボーン3、オフィクレイドテューバ)2、ティンパニ2、打楽器(シンバル、大太鼓、小太鼓、鐘)、ハープ2、弦楽五部

  

幻想交響曲に、おフランス映画のルーツを見たおサル

フランス映画と言えば、最初の15分でいきなり愛が盛り上がり、残りの1時間は激しい口論とエキセントリックな愁嘆場と決まっています(断言)。

第2楽章でバッティストーニさんは、完璧な恋の陶酔感を醸してくれ、うっとりしました。そのあとの修羅場の無惨さをひきたてる効果がバツグンです。


ミュージカルのように、通りを歩けば、小鳥が歌い、周り中から祝福されて歌って踊る感じ? 非現実的な多幸感。

映画「500日のサマー」

 

映画「ラ・ラ・ランド


恋のピュアな高揚感、うつつを抜かす楽しさがたっぷりの第2楽章でした。

2020年9月の演奏会形式「フランチェスカ・ダ・リミニ」もドラマチックな愛憎劇なので、バッティストーニさんにぴったりですね。聴きに行きたいです。

 

 

 「ジュテーム」から「ピュタン!」まで一直線。そして放埒なマルディグラ

短くも美しく燃えたあとは、ホルンと、それに呼応するオーボエの奏でる不安定なフレーズ*から第3楽章が始まり、続く弦楽器が不穏さを煽ります。2人の間に秋風が立ったことが、サルの耳にも明白!

恋人たちのため息、うめき声、阿鼻叫喚が聴こえる第4楽章から、最終楽章の放埒な何でもありのフィナーレまでは一直線です。

バッティストーニさんの、ノリノリ、アゲアゲな演出に、オーケストラもしっかり反応して盛り上げる、盛り上げる!亡者を起こして踊らせる勢いは、マルディグラそのものの熱狂でした。

 

幻想交響曲 ベルリオーズ バッティストーニ 東京フィル
 

 

結論「ベルリオーズは、恋愛では幸せになれなくても仕方ない」?!

 

それにしても、第3楽章の冒頭*では、オーボエ奏者の姿を探して、サルさながらキョロキョロしてしまいました。ライブで聴くと、ホルンとオーボエが見えない相手と踊ってるようなんです。 

実は「ステージ上のイングリッシュ・ホルンと、舞台裏のオーボエによる、空間的な遠近法」とのこと。ベルリオーズさん、やり手ですね!

弔鐘も陰りのある響きが終末感を添えます。しかし、仏壇に置いてあるおりん(金属のお椀)を盛大に鳴らすようなものじゃないですか。大胆不敵な演出です。

たしかに、曲から 「僕の神経は耐えられない!」という嘆きは聴こえてきましたが、その酔いっぷりも見事に客観視してますよね… ?


……ベルリオーズさんは、失恋を嘆いているようでいて、転んでもタダでは起きない、つまりは野心家さんですね。恋愛のモトをしっかりとる男です。幸せになれなくても、まあ仕方ないかな、なんて強烈なフィナーレを聴きながら考えてしまいました。


毎回身も蓋もない感想ですが、作曲家の思惑を叶える、密度も満足度も高いノリノリなステージは、本当に楽しかったです!

ありがとうございました。

 

 

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