おサルと音楽(2)「シェエラザード」に魔法をかけられたサル
さて、前回の中年天使のお告げは 「同じ曲を、違うオーケストラ、指揮者で聴きくらべる」でしたね。
サルでも名曲が聴ける「GooglePlay Music」すごいっす。
具体的には、この組み合わせです。
ウィーンフィル(プレヴィン・小澤征爾)
ベルリンフィル(カラヤン・マゼール)
野次馬根性で好奇心の旺盛なおサルは、チャチャっと検索。
「なにが違うというのだ、シェエラザード!」
サルの仕事は長時間の座り仕事です。仕事しながら、きわめてザツに聴きはじめました。
カラヤン×ベルリンフィル
どの楽器も精緻。エッジがきいて迫力がある。映画音楽的で楽しい!
音がものすごく綺麗なので、耳が良くなった気がする。うまい!(←プロに失礼)
プレヴィン✕ウィーンフィル
音が柔らかくて、幻想的。
沁み入る感じがして、この曲にはこっちのほうが合う気も。。
なんか木管楽器の音の出し方がちょっと違う?のかな?そんなことってある?
プレヴィン組は奥ゆかしいけど、遅いわけじゃないしな…と演奏時間をチェックするおサル。
カラヤン×ベルリンフィル組(プレヴィン✕ウィーンフィル組)
第1楽章:10:01(10:43)
第2楽章:12:51(12:02)
第3楽章:10:41(10:57)
第4楽章:12:56(12:27)
え。なぜ第4楽章だけ、カラヤン✕ベルリンフィル組が長いの??
同じ楽譜使ってて、そんなことあり??
さらにサルを混乱させたのは
マゼール✕ベルリンフィル
えええ?カラヤンよりも小気味いい。てか、あっさり。カラヤン組の音は圧倒的に厚みがあって華やか。
同じオーケストラで、同じ楽譜使ってこんなに違うの??
狐につままれたサルとはこのこと。
しかもリピート聴きするうちに、気がついたらおサルの小さな脳は、旋律の波と音楽の渦に支配されているではありませんか。それは快楽そのものでした。
「だめだ、俺にはわからねえ、みんなちがって、みんないい」
気がつけば日暮れ。力なくサルはつぶやくのでした。
波打ち際でウキャキャと遊んでいたら、遠く沖へと流されて気づけばそこは深い海。おそるおそる海に顔をつけて、美しく広がる海の世界を知ったサル。
それにしても「違うオケ、違うオーケストラで聴きくらべる」的確なアドバイスでした。比較することは、自分の基準を育てること。集中力して聴きますし。
高邁な精神性はいらない曲なのもよかったですね。
おかげで、おぼろげながら、自分のクラシック音楽地図を描くスタートラインに立った、かもしれない。
ヴァイオリンソロがなぜか歌声に聴こえるという、ちょっとしたホラー体験しました。聴きすぎ。